9月16日にFRBが政策金利を0.25%引き上げ3.75〜4.00%とする3年ぶりの利上げを決定し、年内の追加利上げも示唆したことで株式市場は急落した。その反動から9月17日は原油価格の下落と長期金利の伸び悩みが支えとなり主要3指数が揃って反発。S&P500は前日比+1.14%の7637.76、ダウ平均は+0.61%の51778.04、NASDAQ総合は+1.69%の26418.3でそれぞれ取引を終えた。VIX(恐怖指数)は前日比-12.82%の15.44へ急低下し、市場の警戒感は大きく後退した。米10年債利回りは2007年7月以来の高水準圏で推移していたが、8営業日続伸に一服感が出たことも株式相場の支援材料となった。
米国市場9/18 07:01 JST 時点のデータ
米国株反発、GNRC急騰でVIX急低下
FRBの利上げ後の売りから一転、原油安と長期金利の伸び悩みを背景に主要3指数が揃って上昇。VIXは15.44まで急低下し警戒感が後退。個別ではAmazonとの大型契約が判明したGenerac、決算・M&A材料のTempus AIが急騰する一方、MasTecやT-Mobileは業績・金利懸念で下落した。
S&P 500
7,637.76
+1.14%
NYダウ
51,778.04
+0.61%
NASDAQ
26,418.30
+1.69%
VIX
15.44
-12.82%
市場概況
セクター動向
S&P500のセクター別では、テクノロジーが+2.17%と最も強く上昇し、半導体関連の指数も+3%程度上昇した。一般消費財(+1.58%)、素材(+0.91%)も買われた。一方で金融(-0.38%)、エネルギー(-0.42%)、通信サービス(-0.43%)は下落し、利上げ後の金利敏感セクターや資本集約型セクターには引き続き売りが出た。
注目銘柄
- Generac Holdings (GNRC): +18.34% — Amazon.comとデータセンター向けバックアップ発電機の大型供給契約(総額最大80億ドル規模、当初契約24億ドル)を締結したと発表。Amazonへの新株予約権(最大169万株)付与も判明し、Cantor FitzgerandはOverweight・目標株価333ドルを再確認、同社にとって最重要級のデータセンター関連開示との評価が買いを呼んだ。
- Tempus AI (TEM): +14.85% — モルガン・スタンレーが保険償還(リインバースメント)主導の増収見通しに言及したことに加え、ピパー・サンドラーがOverweightへ格上げ(目標株価76ドル)。直近の四半期決算で売上高が前年比22%増となり黒字転換したことや、Personalis社を約15億ドルで買収する方針を示したことも好感され、週間で約30%上昇する中での続伸となった。
- IonQ (IONQ): +9.50% — Synopsysと共同で量子アルゴリズムを工学設計ソフトウェアに組み込み、自動車エンジンやジェットエンジンの複雑なシミュレーションを最大14.6%高速化する「ブレークスルー」を発表したことが材料視され買いが集まった。もっとも同発表にIonQ自身への具体的な収益貢献の言及はなく、投機的な買いの側面も指摘されている。
- MasTec (MTZ): -7.92% — 四半期決算で2026年通期ガイダンスを引き上げたものの1株利益(EPS)が市場予想に届かず失望売りが優勢に。通信(Communications)セグメントではワイヤレス関連収入の減少やプロジェクトの延期、農村デジタル機会基金(RDOF)関連契約の縮小により採算が悪化。直近の業績予想下方修正を受けZacksが投資判断を「Sell」(ランク4)に引き下げたことも重荷となった。
- T-Mobile US (TMUS): -5.57% — FRBによる0.25%利上げを受け、配当・金利敏感株とされる同社株に売りが波及した。加えて、同社の5G向けホームインターネットルーターの一部機種に重大な脆弱性があるとのセキュリティ上の指摘が機関投資家の警戒を招いたほか、競合他社の販促攻勢による契約者数増加ペースの鈍化懸念も株価の重荷となった。
為替・金利動向
ドル円は156円台前半(156.12円、前日終値156.26円からほぼ横ばい)で推移した。米10年国債利回りは2007年7月以来の高水準圏となる約5%で推移したが、8営業日続伸していた流れに一服感が出て低下し、これが株式相場の反発を後押しした。日本の10年国債利回りは3.00%で横ばい推移となった。
今後の注目点
FRBが年内の追加利上げを示唆していることから、今後発表されるインフレ関連指標(CPI・PCE)や雇用統計、FOMC高官の発言が長期金利・株式市場の方向性を左右する焦点となる。個別では、Amazonとの大型契約が判明したGenerac、決算・M&Aが相次ぐTempus AIなど材料株の続伸余地に注目が集まるほか、T-Mobileなど金利敏感株や、通信インフラ関連のMasTecの業績見通し修正の動向も引き続き注視される。
