2026年8月21日の米国株式市場はS&P500種指数が前日比0.43%高の7674.37、ダウ工業株30種平均が517.80ドル(0.98%)高の53277.01、ナスダック総合指数が0.43%高の26180.46でそれぞれ取引を終えた。国債利回りの乱高下に見舞われた1週間の締めくくりとなったこの日は、金融セクターが相場を牽引し、ビットコインが週間で22%上昇したことを背景に仮想通貨関連株が大きく買われた。恐怖指数(VIX)は15.13へ5.5%低下し、投資家のリスク選好姿勢が強まったことを示した。
米国株3指数上昇、仮想通貨・mRNA関連が急伸
8月21日の米国株式市場はS&P500、ダウ、NASDAQが揃って上昇して週を終えた。仮想通貨規制期待でロビンフッドが急伸、モデルナ・テンパスAIはmRNAがんワクチンの好材料で買われた。一方アリババは決算での利益急減を嫌気し下落、セレブラスなど半導体株は利益確定売りに押された。VIXは大幅低下しリスク選好が強まった。
市場概況
セクター動向
この日は仮想通貨・フィンテック関連が最も強く、米政権による暗号資産規制の枠組み整備への期待とビットコイン急騰を追い風にロビンフッドなどが大幅上昇した。ヘルスケア・バイオ関連もメルクとモデルナが発表した個別化mRNAがんワクチンの臨床試験成功を材料に大きく買われ、関連するAI創薬・診断銘柄にも資金が波及した。素材セクターではレアアース・重要鉱物関連が、米エネルギー省による重要鉱物処理・電池関連プロジェクト支援決定を受けて上昇した。一方、半導体・AIハードウェア関連は決算発表を控えた持ち高調整や直近の急騰後の利益確定売りに押されて軟調となり、中国のアリババは決算内容を嫌気して急落、公益事業セクターもアナリストの目標株価引き下げを受けて下落する銘柄が目立った。
注目銘柄
- ロビンフッド・マーケッツ (HOOD): +13.70% — ビットコイン急伸と米政権の暗号資産規制枠組み整備への期待が追い風となったほか、プライベート企業株を保有するクローズドエンド型ファンドの展開加速など事業拡大策も好感された。ゴールドマン・サックスが目標株価を118ドルから123ドルに引き上げたことも支援材料。
- モデルナ (MRNA): +8.86% — メルクとの共同開発による個別化mRNAがんワクチン候補「intismeran autogene」とキイトルーダの併用療法が、切除可能な黒色腫を対象としたフェーズ3試験(INTerpath-001)で主要評価項目・重要な副次評価項目を達成したと発表。mRNAベースのがん治療で初めて成功したフェーズ3データとして評価され、ウィリアム・ブレアが投資判断を格上げした。
- MPマテリアルズ (MP): +9.10% — 米エネルギー省が重要鉱物の処理・電池製造・リサイクル能力拡大を狙った支援対象プロジェクト7件を選定したと発表したことを受け、レアアース・重要鉱物のサプライチェーン国産化への期待から関連株全般が買われた。
- アリババ・グループ (BABA): -8.57% — 前日8月20日発表の2026年度第1四半期決算で、調整後EPSが市場予想(10.72人民元)に届かない8.52人民元にとどまり、純利益は前年比75%減となった。クラウド売上高は45%増と22四半期ぶりの高成長を示したものの、AI関連設備投資が新規クラウド収益の4.5倍に膨らんでいることが判明し、投資家がマージンとキャッシュフローへの圧迫を懸念して売りが優勢となった。
- セレブラス・システムズ (CBRS): -6.54% — 8月18〜19日に開催した「Supernova Day」で新型AIアクセラレータ「CS-4」を発表して株価が大きく上昇した反動から、利益確定売りが継続。8月12日発表の第2四半期決算ではコア売上高が前年比103%増、クラウド収益が287%増と好調だったが、金利上昇局面で高PERのAIハードウェア関連銘柄全般に対する警戒感も重荷となった。
為替・金利動向
ドル円は円安・ドル高が優勢な展開となり、159円台で取引を終えた。米財務省が国債買い戻し(バイバック)の拡大を発表したことを受けて前日に急低下していた米長期金利は、買い戻しによる金利抑制効果に市場が懐疑的な見方を強めたことから再び上昇に転じ、米10年国債利回りは4.71%台まで切り返した。日米金利差の拡大を意識したドル買いが進んだ。
今後の注目点
来週8月27日にはマーベル・テクノロジー(MRVL)の決算発表が控えており、AI半導体関連の需要動向を占う材料として注目される。また、モデルナ・メルクの個別化mRNAがんワクチンについては追加の臨床データや承認申請に向けた動きが引き続き市場の関心を集めそうだ。仮想通貨関連では米政権の規制整備の進捗や関連銘柄の資金フローが注目される一方、セレブラスなどIPO後間もない銘柄はロックアップ解除に伴う需給変動にも留意が必要となる。
