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米国市場8/18 07:01 JST 時点のデータ

原油高と長期金利上昇で米株続落

原油価格上昇とイラン情勢緊迫化を背景に長期金利が上昇し、S&P500は3日続落。半導体・AIインフラ関連は物色が続く一方、消費関連や通信株は下落。VIXは15.19に上昇し警戒感が強まった。

S&P 500
7,745.06
-0.52%
NYダウ
53,459.78
-0.51%
NASDAQ
26,644.91
-0.32%
VIX
15.19
+6.60%

市場概況

2026年8月17日の米国株式市場は3指数そろって下落した。S&P500は前日比0.52%安の7745.06、ダウ工業株30種平均は0.51%安の53459.78(下落幅272.63ドル)、ナスダック総合指数は0.32%安の26644.91で取引を終えた。イラン情勢を巡る和平交渉の先行き不透明感から原油価格が上昇し、ブレント原油は1バレル91ドル近辺まで上昇。インフレ再燃への警戒から米30年国債利回りが2007年以来の高水準まで上昇し、株式・債券がともに売られる展開となった。一方でAnthropicの好調な収益成長が伝わったことでAIモデル開発・データセンター投資の持続性への期待が強まり、AIハイパースケーラーやインフラ関連銘柄は買われるなど、指数全体の下落幅は限定的となった。恐怖指数のVIXは前日比6.6%上昇し15.19となり、市場のリスク回避姿勢がやや強まったことを示した。

セクター動向

AIインフラ・半導体関連は当日も物色が続いた。フラッシュメモリー大手のSandisk(SNDK)はAI向けストレージ需要の強さを背景に急伸したほか、AI半導体のCerebras Systems(CBRS)は好決算や大口投資家の新規保有判明を材料に大幅高となり、Semtech(SMTC)もAIインフラ関連テーマ株として買いを集めた。半面、消費関連・通信サービスセクターは軟調で、中古車販売のCarvana(CVNA)やケーブルテレビ大手のCharter Communications(CHTR)、SNS大手のReddit(RDDT)がそろって大幅安となった。ヘルスケアセクターはまちまちで、希少疾患薬を手掛けるargenx(ARGX)は臨床試験の好結果を材料に急騰した一方、歯科矯正のAlign Technology(ALGN)は軟調な地合いの中で下落した。生活必需品セクターでは酒類大手Constellation Brands(STZ)が決算後の警戒感とアナリストの目標株価引き下げが続き大幅安となるなど、原油高・金利上昇を受けたリスク回避の流れが消費関連・高バリュエーション銘柄への売りにつながった。

注目銘柄

【値上がり】

  • argenx SE (ARGX): +16.04% — 自己免疫性筋炎(IMNM/DM)を対象とした第3相ALKIVIA試験でVYVGART Hytrulo(efgartigimod alfa)が主要評価項目を統計的有意に達成(p=0.0011、プラセボ比でTISスコア15.4ポイント改善)したと発表し急騰。
  • Cerebras Systems Inc. (CBRS): +15.07% — 第2四半期のコア売上高が前年比倍増の2億990万ドルとなり、2026年通期のコア売上高見通しを8.8億〜8.9億ドルに上方修正。Tiger Global Managementなど大手ヘッジファンドの新規大口保有が13F/13G開示で判明したほか、モルガン・スタンレーが目標株価を引き上げAI推論需要による2027年収益3倍超予想を示したことも支援材料。
  • H World Group Limited (HTHT): +11.29% — 2026年第2四半期決算で純利益が前年比増益となり、通期売上高成長率見通しを4〜8%(従来2〜6%)に上方修正。取締役会は総額25億ドルの3カ年株主還元計画とADS当たり0.87ドルの現金配当を承認し、好感された。
  • Semtech Corporation (SMTC): +9.88% — AIインフラ向け半導体需要への期待から、AIテーマ関連銘柄として物色が継続。次回決算(8月24日予定)を控えたポジション調整の動きもみられた。
  • Sandisk Corporation (SNDK): +8.88% — 2028〜2030年度に売上高が年率10%台半ば〜後半で成長するとの長期見通しやKioxiaと共同開発したAIインフラ向け第9世代フラッシュメモリー技術が材料視され上昇。939億ドル規模の受注残高(2026年度売上高見込みの4.6倍)も好感され、Wells FargoやRBCキャピタルが目標株価を引き上げた。

【値下がり】

  • Reddit, Inc. (RDDT): -7.63% — 8月14日開示のSEC Form 144でインサイダーによる最大19.5万株の株式売却計画が判明し需給悪化。S&P500組み入れ後の株価急騰の反動や、PER約40倍という高バリュエーションへの警戒から利益確定売りが優勢となった。
  • Carvana Co. (CVNA): -7.28% — 資本構造改善(高コスト債務の借り換え目的のシニア担保付タームローン組成)を材料にした直近数週間の戻り歩調から一服し、テクニカルな上値抵抗に加え短期的な利益確定売りが優勢となった。
  • Charter Communications, Inc. (CHTR): -6.59% — 第2四半期決算でブロードバンド契約者の減少が加速し、減収と収益性悪化が示されたことが尾を引き、2026年通期EBITDA(移行コスト除く)が前年比約1%減少するとの見通しが嫌気された。
  • Constellation Brands, Inc. (STZ): -6.19% — 前四半期決算でEPSが市場予想を約20%下回ったことを受けた警戒感が根強く残る中、複数のアナリストによる目標株価引き下げが相次ぎ、売りが継続した。
  • Align Technology, Inc. (ALGN): -5.60% — 第2四半期は増収を確保したものの第3四半期売上高見通しが市場予想をやや下回ったこと、およびアクティビスト投資家エリオット・マネジメントの関与を受けた戦略見直しの先行き不透明感が重荷となり、原油高・金利上昇による消費関連株への逆風も加わり下落した。

為替・金利動向

外国為替市場ではドル円は158円台前半〜160円台後半のレンジで推移し、当日は米小売売上高が市場予想を下回ったことなどを受けてやや円高に振れ、158円台後半〜159円台前半で取引された。米国債市場ではインフレ再燃への警戒から長期金利が上昇し、30年債利回りは2007年以来の高水準まで上昇。10年債利回りは4%台後半で推移している。原油高が長期金利の上昇圧力となり、株式市場のリスク回避的な値動きにつながった。

今後の注目点

週内は8月18日に住宅着工件数・建設許可件数、鉱工業生産・設備稼働率などの経済指標発表が予定されているほか、8月19日にはFOMC議事要旨が公表され、直近会合で3人の当局者が利上げを主張した経緯やウォーシュ議長のスタンスを見極める材料として注目される。8月27〜29日には新議長ウォーシュ氏にとって初となるジャクソンホール会議での講演が予定されており、金融政策運営方針への発言が注目点となる。また週内は小売企業の決算発表が相次ぐほか、Reddit(RDDT)のS&P500指数への正式組み入れ、Semtech(SMTC)の決算発表(8月24日予定)も引き続き注目材料となる。イラン情勢と原油価格の動向、長期金利の一段の上昇有無も株式市場の変動要因として注視される。