8月5日の米国株式市場は、決算発表が相次ぐ中で主要3指数の値動きが分かれた。ダウ工業株30種平均は主力企業の好決算を追い風に54349.12ドル(前日比+0.49%)と上昇し、最高値圏を維持した一方、S&P500は7723.55(同-0.17%)、ナスダック総合指数は26363.44(同-0.83%)とそれぞれ小幅安で終えた。個別銘柄では決算内容に応じて大幅高・大幅安が続出し、指数全体の値動き以上に物色の分散が目立つ1日となった。恐怖指数(VIX)は15.81(前日比-4.18%)に低下し、市場全体のリスク許容度は総じて落ち着いた水準にとどまった。
決算相場で個別株が乱高下、ダウは最高値圏で推移
8月5日の米国株式市場はダウが最高値圏を維持し54349.12ドル(+0.49%)と上昇した一方、S&P500(7723.55、-0.17%)とナスダック(26363.44、-0.83%)は小幅安となった。決算発表が相次ぎ、Shopifyなど好決算銘柄が急伸する一方、DaVitaやNYTは増収増益でも見通し懸念から急落するなど個別株の値動きが際立った。VIXは15.81(-4.18%)に低下した。
市場概況
セクター動向
決算シーズンのただ中で、セクター間・銘柄間のばらつきが際立った。医薬品開発受託(CRO)のCharles River Laboratoriesは受注回復を背景に急伸するなど一部ヘルスケア関連が買われた一方、医療サービスのDaVitaは増収増益でも来期見通しの弱さが嫌気され急落し、同じヘルスケアセクター内でも明暗が分かれた。ソフトウェア・クラウド関連はDynatraceの好決算を受けて堅調で、金鉱株は金価格の高値圏推移を背景にAgnico Eagleなどが買われた。一方、資本財・産業機械のRegal Rexnordや競売サービスのRB Globalは増益ながら売上高が市場予想に届かず急落し、メディア関連ではNew York Timesが増収増益にもかかわらず採算悪化懸念から大幅安となるなど、決算内容の細部を厳しく見極める展開となった。
注目銘柄
- Shopify Inc. (SHOP): +16.98% — 4-6月期決算で売上高が前年比34%増の35.8億ドル、GAAP EPSは1.16ドルと市場予想(0.31ドル)を大幅に上回る「モンスター決算」となった。流通取引総額(GMV)も32%増の1156億ドル、7-9月期の売上高ガイダンスも市場予想の27%増を上回る低30%台の伸びを示したことが好感され急伸した。
- Charles River Laboratories, Inc. (CRL): +11.36% — 4-6月期の調整後EPSが3.02ドル(予想2.74ドル)、売上高10.04億ドルと予想を上回り、通期調整後EPS見通しを11.15~11.45ドルに上方修正した。受託試験(Discovery and Safety Assessment)部門の受注が約4年ぶりの高水準となり、バイオ医薬品需要の回復が確認されたことが好感された。
- Dynatrace, Inc. (DT): +11.27% — 2027会計年度第1四半期の調整後EPSが0.48ドル(予想0.44ドル)、売上高5.545億ドル(前年比16%増)と予想を上回り、通期EPSガイダンスも市場予想を上回る水準を提示した。CFO交代の発表もあったが、決算内容の強さが好感され株価が急伸した。
- DaVita Inc. (DVA): -17.24% — 4-6月期は調整後EPS4.02ドル、売上高35.5億ドルと市場予想を上回ったものの、1治療あたり収益の伸び悩みとコスト増懸念、下半期見通しの弱さが嫌気された。通期EPSガイダンスも市場予想を下回り、決算内容の強さにもかかわらず売りが優勢となった。
- The New York Times Company (NYT): -13.40% — 4-6月期は売上高が前年比11.2%増の7.625億ドル、調整後EPS0.69ドルと市場予想を上回ったが、フリーキャッシュフロー・マージンが前年の15.1%から1.3%へ急低下し、動画・広告関連のコスト増が嫌気された。デジタル購読収益は16%増と好調だったが、採算性への懸念が株価の重荷となった。
為替・金利動向
為替市場ではドル円が157円台で推移し、米国と日本による協調的な為替介入観測を背景に急激な変動は落ち着いた状態が続いている。米10年国債利回りは4.6%台で推移し、直近付けた約18か月ぶりの高水準(4.75%程度)からはやや低下した水準を維持した。金融市場では9月FOMCでの利下げ観測がやや後退しており、年内の利下げ織り込みは1回程度にとどまっている。
今後の注目点
週末8月7日には7月分の雇用統計(非農業部門雇用者数、市場予想は前月比+11万人前後)の発表を控え、労働市場の動向が今後の金融政策見通しを左右する材料として注目される。決算発表シーズンはなお続いており、これまでに発表したS&P500採用企業の約85%が市場予想を上回るなど全体としては好調だが、DaVitaやNew York Timesのように強い決算内容でも需要動向や採算性への懸念から株価が急落する銘柄が目立っており、今後も決算内容の質を厳しく見極める相場展開が続くとみられる。
