2026年9月24日の米国株式市場は方向感に乏しい展開となった。S&P500種株価指数は前日比0.02%安の7704.13、NYダウ工業株30種平均は同0.31%安の51349.98、ナスダック総合指数は同0.01%高の26939.37と、主要3指数はほぼ横ばいで取引を終えた。米10年国債利回りが5.1%台まで上昇し2007年以来の高水準に達したことや、原油高・地政学リスクへの警戒感が相場の重しとなった一方、決算や提携材料を伴う値動きの荒い個別株が物色され、指数全体としては小幅な変動にとどまった。恐怖指数のVIXは前日比3.23%上昇の15.67となり、リスク回避姿勢がやや強まったことを示した。
米国株、金利上昇で太陽光急落 AI関連は物色継続
2026年9月24日の米国株式市場は主要3指数がほぼ横ばい。米10年債利回りが5.1%台へ上昇し重しとなる一方、AI創薬・AIインフラ関連株が急伸。太陽光株や金鉱株はガイダンス悪化や金利高を嫌気し急落するなど、個別材料による物色の分かれる展開となった。
市場概況
セクター動向
太陽光関連株は米長期金利の急上昇を背景にプロジェクトファイナンス悪化懸念が強まり、First Solarを筆頭に業種全体で急落した。半導体・ハイテク株は直近まで大きく買われた高PER銘柄を中心に利益確定売りが優勢となり、Arm Holdingsなどが反落した。一方でAI創薬・AIヘルスケア関連では、Twist BioscienceやTempus AIが提携拡大や研究成果を材料に急伸し、AIインフラのNebius Groupもアナリスト格上げと値上げ発表を好感して買われるなど、AIテーマ銘柄への選別物色が続いた。資源セクターでは金鉱株のKinross Goldが生産ガイダンスの引き下げを受けて急落し、金価格の軟調も重しとなった。IT機器ディストリビューションのTD SYNNEXは好決算にもかかわらずキャッシュフロー悪化を嫌気され大幅安となった。
注目銘柄
- Twist Bioscience Corporation (TWST): +16.11% — 米製薬大手イーライリリーのAI創薬プラットフォーム「TuneLab」向けに抗体特性データを供給する提携契約を発表。Leerinkが目標株価を120ドルから160ドルへ引き上げたことも追い風となった。
- 10x Genomics, Inc. (TXG): +11.23% — デラウェア州の陪審がQiagen子会社Parse Biosciencesによる10xの特許侵害を認定し480万ドル超の賠償評決を下したことに加え、韓国LunitのAI病理解析技術を自社の空間プロファイリング製品に統合する提携も好感された。
- Everpure, Inc. (P): +11.15% — 旧Pure Storageから2026年2月に社名変更した同社は、成長見通しの上方修正観測を受けてアナリストが目標株価を引き上げ、株価は過去最高値圏を更新した。
- Nebius Group N.V. (NBIS): +7.44% — BNPパリバがレーティングをニュートラルからアウトパフォームに、目標株価を260ドルから399ドルへ大幅引き上げ。10月1日からのGPU等オンデマンド料金の値上げ発表やPalantirとのAIインフラ提携も材料視された。
- Tempus AI, Inc. (TEM): +7.38% — 直近四半期で初のGAAP黒字化と売上高22%増を達成した好決算、および学術誌Nature MedicineでAI診断プラットフォーム「PRISM2」の精度が検証されたことを背景とした上昇基調が継続した。
【値下がり銘柄】
- Gen Digital Inc. (GEN): -12.05% — 四半期売上高11%増・調整後EPS19%増という好決算を発表したにもかかわらず、直近の大幅上昇を受けた利益確定売りとインサイダー株式売却、ハイテク株全般の軟調が重なり急落した。
- Kinross Gold Corporation (KGC): -11.59% — 2026〜2027年の金換算生産量ガイダンスを従来レンジ下限から2〜3%、中間値比では約8%引き下げると発表。Scotiabankが目標株価を41ドルから39ドルに引き下げたほか、金価格の軟化も重しとなった。
- First Solar, Inc. (FSLR): -10.32% — 米10年債利回りが5%台まで急上昇したことで、資金調達コスト上昇によるプロジェクトファイナンス悪化懸念が強まり、太陽光関連株全体が売られる中で下落率トップとなった。
- TD SYNNEX Corporation (SNX): -9.87% — 第3四半期は非GAAP EPS5.68ドル(予想4.64ドル)、売上高216億ドル(予想187.9億ドル)と市場予想を上回ったが、フリーキャッシュフローが前年同期のプラス2.14億ドルから▲9.76億ドルへ転落し、粗利率も0.61ポイント低下。Hyve Solutions事業拡大に伴う運転資本増を嫌気した「材料出尽くし」売りが優勢となった。
- Arm Holdings plc (ARM): -7.88% — 直近1年で株価が130%超上昇した後の利益確定売りに加え、高PERへの警戒感、ナスダック軟調下での半導体株全般の調整が重なり下落した。
為替・金利動向
外国為替市場ではドル円が158円台後半(158.76〜158.96円近辺)で推移し、円安ドル高が進行した。米10年国債利回りは5.11〜5.12%まで上昇し2007年以来の高水準を記録。日本の10年国債利回りも3.05%台まで上昇し1996年以来の高水準となるなど、世界的に長期金利の上昇圧力が強まった一日となった。この金利上昇が、太陽光関連株など資金調達コストに敏感なセクターの株価下落につながった。
今後の注目点
市場では米長期金利のさらなる上昇が続くかどうかが引き続き最大の焦点となる。10年債利回りが2007年以来の高水準にある中、今後発表される米経済指標やFRB高官発言が金利・株式市場の方向性を左右しそうだ。また、太陽光関連株や金鉱株などセクター固有の材料(借入コスト、生産ガイダンス)を受けた銘柄の値動きや、AI創薬・AIインフラ関連銘柄への物色継続の有無にも注目が集まる。
