2026年9月15日の米国株式市場は主要3指数が揃って下落した。S&P500は前日比-0.45%の7585.73、ダウ工業株30種平均は-0.63%の52093.11(下げ幅328.09ドル)、NASDAQ総合は-0.78%の25981.57で取引を終えた。市場心理を示すVIX指数は+0.58%の17.2とやや上昇した。同日、米10年国債利回りが2007年以来の高水準となる5.02%まで上昇し、株式市場全体の重しとなった。投資家の関心は9月15〜16日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)に集中しており、CME Group FedWatchによれば0.25%ポイントの利上げ確率は9割超に達している。8月CPIなどでインフレの高止まりが確認される中、2023年以来となる利上げが実施されるとの見方が強まっており、決定発表(16日午後2時ET、続くパウエル議長会見は同2時30分)を控えたリスク回避姿勢が相場全体を押し下げた。
米国株続落、長期金利5%超えでFOMC警戒
S&P500・ダウ・NASDAQの主要3指数が揃って下落した。10年債利回りが2007年以来の高水準となる5.02%まで上昇し、16日のFOMC利上げ観測(織り込み9割超)を意識した売りが優勢だった。半導体はスカイワークスとコルボが合併最終段階入りの報道で急伸する一方、業界全体は軟調。暗号資産関連株はクラリティ法案の上院採決を控えて急落した。
市場概況
セクター動向
半導体セクターは全体として軟調だったが、その中でRF(高周波)フロントエンドチップ大手のスカイワークス・ソリューションズとコルボは、両社の220億ドル規模の合併が最終段階に入ったとのCEO発言を受けて大幅高となり、業界の地合いの悪さとは対照的な値動きとなった。暗号資産関連株はビットコインが約2.9%下落する中、デジタル資産市場明確化法案(Clarity Act)の上院採決(可決確率がおよそ31%から19%に低下したと報じられた)を控えて総じて急落し、コインベースやサークル・インターネット・グループなどが大きく売られた。ヘルスケア・ゲノム関連では、イルミナが9月21日付でS&P500種指数に復帰することが決まったことなどを材料に堅調に推移し、レビディやテンパスAIなど診断・ライフサイエンス関連銘柄にも買いが入った。一方、長期金利の急伸を受けて高PER・高成長株は総じて売られやすく、アクソン・エンタープライズなどグロース色の強い銘柄には逆風となった。
注目銘柄
- スカイワークス・ソリューションズ (SWKS): +13.55% — フィル・ブレースCEOがゴールドマン・サックス主催のカンファレンスで、コルボとの220億ドル規模の合併が最終段階に入り、承認待ちの規制当局は残り2カ国のみで年内成立の見通しと発言したことを受けて急騰した。
- コルボ (QRVO): +9.34% — スカイワークスとの合併進展を受けた裁定的な買いが入り連れ高となった。両社統合が実現すればRFフロントエンドチップで米国最大手が誕生するとの思惑が支えとなった。
- サークル・インターネット・グループ (CRCL): -11.41% — デジタル資産市場明確化法案(Clarity Act)の上院手続き採決を控え、ARKインベストが保有株を売却したことが報じられ、法案の可決確率低下(31%→19%程度との観測)への懸念も重なり急落した。
- コインベース・グローバル (COIN): -10.10% — ビットコインが約2.9%下落する中、Clarity Act採決を巡る規制先行き不透明感とARKインベストによる暗号資産関連株売却、さらに翌日のFOMC結果待ちのリスク回避姿勢が重なり大幅安となった。
- アクソン・エンタープライズ (AXON): -9.81% — 2031年満期・表面利率0%の10億ドル規模の転換社債発行を発表したことが希薄化懸念につながったほか、フォワードPERが50倍台後半と高い同社株は10年債利回りの5%超えによるバリュエーション圧縮の影響を強く受けた。
為替・金利動向
ドル円は米長期金利の上昇に支えられ155円台をうかがう展開となり、東京時間の午前に154.21円まで下落する場面もあったが、午後には154.91円近辺まで値を戻した。米10年国債利回りは2007年以来の高水準となる5.02%まで上昇し、世界的な国債売り(グローバル・ボンド・セロフ)の中で長期金利の急伸が株式市場の重荷となった。市場では16日のFOMCで2023年以来となる利上げが決定されるとの観測が優勢で、CME FedWatchでの0.25%ポイント利上げの織り込み確率は9割を超えている。
今後の注目点
最大の焦点は9月16日午後2時(米東部時間)に予定されるFOMCの政策金利発表で、同時に公表されるSEP(経済見通し)の「ドットプロット」と、続く午後2時30分からのパウエル議長会見が注目される。市場は8月CPIなどインフレの高止まりを背景に、2023年以来初となる利上げをほぼ織り込んでおり、結果次第で長期金利・ドル円ともに大きく変動する可能性がある。個別材料では、スカイワークスとコルボの220億ドル規模の合併における残り2規制当局の承認進捗、デジタル資産市場明確化法案(Clarity Act)を巡る上院採決の行方、そして9月21日付でのイルミナのS&P500種指数への復帰に伴う指数連動資金の売買動向が引き続き注目される。
