2026年8月25日の米国株式市場では、S&P500が前日比0.32%高の7677.28、NYダウが同0.3%高の53577.4、ナスダック総合が同0.66%高の26151.3とそろって上昇して取引を終えた。恐怖指数と呼ばれるVIX指数は前日比2.52%低下し15.45となり、市場のリスク許容度が高まったことを示した。翌26日の取引終了後に決算発表を控えるNVIDIAをはじめとする半導体関連銘柄に買いが入り、ナスダックの上昇を牽引した。米長期金利はこの日、午前に4.71%台まで上昇した後、午後にかけて4.70%程度まで低下する展開となり、株式市場を下支えした。この日は8月の消費者信頼感指数、7月の新築住宅販売件数、6月分のS&Pケース・シラー住宅価格指数など複数の経済指標も発表された。
NVIDIA決算控え主要3指数そろって上昇
8月25日の米国株式市場は主要3指数が揃って上昇。翌26日のNVIDIA決算を控え半導体株に買いが入り、VIXは低下。個別ではモデルナが癌ワクチン治験成功で急伸する一方、ディックスSGは決算失望で急落した。
市場概況
セクター動向
半導体・AIインフラ関連セクターは、翌日のNVIDIA決算発表を控えて買いが先行し、マービル・テクノロジーが4.8%上昇したほか、スーパーマイクロコンピュータも急伸するなど地合いが強かった。一方、小売セクターはディックス・スポーティンググッズの決算失望を受けて軟調となり、同業のフットロッカー事業の不振や販促合戦の激化が嫌気され、バーリントン・ストアーズなど同業他社にも売りが波及した。素材(化学)セクターでは、中国におけるリチウム価格の軟化を背景にJPモルガンがアルベマールの業績見通しと目標株価を引き下げたことでリチウム関連株が下落した。ヘルスケアセクターは、モデルナとメルクが共同開発するがんワクチンの後期臨床試験で良好な結果が示されたことを受けて買いが集中し、バイオテク株の指数寄与度を押し上げた。
注目銘柄
- Moderna, Inc. (MRNA): +14.36% — メルクと共同開発する個別化mRNAがんワクチン「intismeran」の悪性黒色腫を対象とした後期第3相試験が主要評価項目を達成したと発表し、腫瘍再発リスクの有意な低下が示されたことで急伸した。
- Super Micro Computer, Inc. (SMCI): +9.35% — シスコシステムズがNVIDIAとの提携で「Secure AI Factory」構想を拡大し、その連携先としてスーパーマイクロのサーバー機器が組み込まれたと伝わったことが材料となり、翌日に迫るNVIDIA決算を控えたAIインフラ関連銘柄への買いも追い風となった。
- Freedom Holdings Corp. (FRHC): +8.65% — トルコ子会社が現地資本市場委員会(CMB)から投資サービス提供に関する包括的な営業ライセンスを取得したと伝わり、事業拡大期待から買われた。前日にかけて8%下落する場面もあった反動も出た。
- Futu Holdings Limited (FUTU): +8.48% — 直近発表した第2四半期決算で売上高が市場予想を上回る前年同期比35.6%増を記録し、資金流入口座数も四半期で25.2万件純増するなど好調な業績が続伎で好感され、決算後の上昇基調が継続した。
- DICK'S Sporting Goods, Inc. (DKS): -30.63% — 第2四半期決算で調整後EPSが3.53ドル、売上高が55.9億ドルとそれぞれ市場予想に届かず、通期売上高・営業利益見通しを引き下げた。傘下フットロッカー事業の既存店売上高が3.6%減少し、スポーツ用品・シューズ市場での販促合戦激化を理由に挙げたことが嫌気され、2023年以来の下落率となった。
- Albemarle Corporation (ALB): -5.89% — JPモルガンが中国のリチウム価格軟化を背景に2026年通期の調整後EBITDA予想を14.4%、2027年予想を18.4%それぞれ引き下げ、目標株価も引き下げたことを受けて売られた。EV需要の鈍化と在庫過剰、増産観測がリチウム価格の重しとなっている。
- Rubrik, Inc. (RBRK): -5.50% — 8月27日に予定される第2四半期決算発表を前にした持ち高整理・利益確定売りが主因とみられる。ウェルズ・ファーゴが目標株価を90ドルから120ドルに引き上げるなど強気姿勢を維持する中での下落であり、明確なネガティブ材料は確認できず決算前のポジション調整との見方が強い。
- Burlington Stores, Inc. (BURL): -4.65% — 8月28日発表予定の第2四半期決算を控えたリスク回避売りに加え、同業のディックス・スポーティンググッズが決算失望で急落したことを受け、小売セクター全般に警戒感が広がったことが波及した。出来高は90日平均を下回っており、パニック的な売りではなく事前ポジション調整の側面が強い。
為替・金利動向
ドル円相場は8月25日、東京市場で158円台後半から159円台前半のレンジで推移し、前日比約0.1%のドル高・円安となる159円台前半で取引を終えた。米長期金利(10年国債利回り)は当日午前に4.71%台まで上昇した後、午後には4.70%程度まで低下する展開となった。市場では、FRBが直近のFOMC会合ごとに25bp利上げの確率を30〜60%程度織り込む一方、2027年に向けては利下げ再開を見込む見方が広がっており、金利先高観と先安観が交錯する中で為替・債券市場は方向感の乏しい展開となった。
今後の注目点
翌8月26日の取引終了後にはNVIDIAが第2四半期決算を発表予定で、市場予想は売上高930億〜950億ドル(前年同期比約96%増)と、AIアクセラレーター需要とBlackwell製品の増産を背景に高い伸びが見込まれている。決算内容とガイダンス次第では、AMDやインテルなど半導体セクター全体への波及も予想され、市場の最大の注目イベントとなる。またIntuit(INTU)やZoom(ZM)も同日引け後に決算発表を予定している。小売セクターではバーリントン・ストアーズが8月28日、Rubrikも8月27日にそれぞれ決算発表を控えており、投資家の関心が集まる。
