2026年8月13日の米国株式市場は、前日発表された7月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る伸びにとどまったことを受けて投資家心理が改善し、主要3指数がそろって上昇した。S&P500種株価指数は前日比0.65%高の7798.99で取引を終え、取引時間中には7816.70まで上昇して過去最高値を更新した。ナスダック総合指数はメタ・プラットフォームズやマイクロン・テクノロジー、ネットフリックスなどの上昇に支えられ0.81%高の26803.03で終了。ダウ工業株30種平均は0.13%高の53839.99で、上げ幅は限定的だった。CPIは前月比0.1%上昇、前年同月比では3.4%となり、コア指数も前月比0.2%上昇・前年比2.5%と、いずれも市場予想に近いか下回る内容となったことで、利下げ継続への期待が下支えとなった。VIX(恐怖指数)は14.63と低水準にとどまり、市場のリスク許容度は総じて高い状態が続いた。
S&P500が最高値更新、7800台に到達
2026年8月13日の米国株式市場はCPI鈍化を好感し3指数そろって上昇。S&P500は史上最高値を更新し7800台に到達した。個別ではワークデイが買収報道で急伸する一方、テーパストリーは弱い通期見通しで急落した。
市場概況
セクター動向
この日はハイテク・グロース株が相対的に堅調で、ナスダック総合の上昇率がダウ平均を上回った。半導体・AI関連ではNAND型フラッシュメモリー大手サンディスクがキオクシアとの新技術発表を材料に買われるなど、AIインフラ需要を背景とした半導体・メモリー関連への物色が続いた。一方でソフトウェア・SaaSセクターは決算発表が相次ぎ明暗が分かれ、ワークデイやハブスポットが急伸した一方、AIチップ企業セレブラス・システムズは決算悪化を嫌気して大幅安となった。生活必需品・アパレルセクターでは高級ブランドを展開するテーパストリーが通期見通しの下振れで急落し、同業他社にも警戒感が波及した。貴金属関連では銀相場自体は堅調だったにもかかわらず、パン・アメリカン・シルバーが決算の生産数量未達を受けて売られるなど、個別材料によるセクター内でのばらつきが目立った日となった。
注目銘柄
- Workday, Inc. (WDAY): +17.82% — ロイター報道によれば、プライベートエクイティ大手シルバーレイクが同社の買収に向けて協議を進めていると伝わり、株価は取引中に一時+21%まで急伸し値幅制限で取引が一時停止された。買収に伴う企業価値の上乗せ額は約86億ドルと報じられている。
- HubSpot, Inc. (HUBS): +14.46% — 第2四半期決算で調整後EPSが3.26ドルとFactSetコンセンサス(3.02ドル)を上回り、売上高も9億1170万ドルとコンセンサスを上回る好決算となった。通期EPS見通しを13.23~13.31ドルに引き上げ、さらに24カ月で総額10億ドルの自社株買いプログラムを新設したことも好感された。一方で通期売上高見通しはコンセンサスをやや下回り、複数のアナリストが目標株価を引き下げるなど強弱まちまちの反応も見られた。
- Sandisk Corporation (SNDK): +13.60% — キオクシアと共同で、AIワークロードやデータセンター向けに帯域幅と省電力性能を高めた第9世代・2テラビットQLC 3D NANDフラッシュメモリー技術を発表したことが材料視された。AIインフラ需要の拡大によりNAND供給がひっ迫し価格が急騰していることを背景に、エバコアのアナリストが「アウトパフォーム」格付けと目標株価2800ドルを継続したことも支援材料となった。
- Tapestry, Inc. (TPR): -16.49% — 主力ブランド「コーチ」中心に四半期売上高は前年同期比8.9%増の18.8億ドルとなり、非GAAP EPSもコンセンサスを3.4%上回る好決算だったが、2027会計年度の売上高見通し(84億~85億ドル、中央値84.5億ドル)がコンセンサス(84.7億ドル)を下回ったことが嫌気された。傘下のケイト・スペードの売上高が前年比10%減と不振が続き、コーチ依存度の高さへの懸念も株価を押し下げた。
- Cerebras Systems Inc. (CBRS): -11.85% — 前日引け後に発表した第2四半期決算で、売上高が1億8000万ドルとコンセンサス(1億9400万ドル)に届かず、前年同期の1株利益1.91ドルの黒字から一転して1株当たり2.98ドルの赤字に転落したことが嫌気された。通期の売上高・利益率目標は引き上げられたものの、四半期決算の未達が優先して売られる展開となった。
為替・金利動向
外国為替市場ではドル円相場が159.46円近辺で推移し、前日比小幅高(+0.02%程度)となった。米長期金利は10年物国債利回りが4%台前半で推移し、前日発表されたCPIの鈍化を受けて低下圧力がかかる場面もみられた一方、株式市場の最高値更新を背景にリスク選好的な資金の流れも観測された。全体として、インフレ鈍化観測が長期金利の上値を抑える一方、株高・良好な経済指標がドルの底堅さを支える構図となった。
今後の注目点
来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催はなく、経済指標も比較的落ち着いた週となる見通し。週半ばにはISMやS&Pグローバルのサービス業景況感指数、FRBのベージュブックの公表が予定されており、直近発表された8月雇用統計(非農業部門雇用者数+18.7万人、失業率3.8%に上昇)を踏まえたFRBの今後の金融政策スタンスへの影響が注目される。決算発表ではクローガー(KR)、ゲームストップ(GME)、ズケーラー(ZS)などが控えている。また8月27~29日にはワイオミング州ジャクソンホールで開催される経済シンポジウムが予定されており、パウエル議長を含む金融当局者の発言内容が今後の金利・為替市場の方向性を左右する材料として注視される。
