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米国市場2/24 14:07 JST 時点のデータ

関税第2弾とAI混乱でダウ800ドル超下落

2026年2月23日(月)の米国株式市場は全面安。トランプ大統領が最高裁判決後にSection 122を発動し一律関税を15%へ引き上げたことで、テクノロジー株を中心に売りが加速。さらにAnthropicのClaude CodeがCOBOL処理能力を発表したことでIBMが13%超急落。ダウは48,804ドル、S&P500は6,837ドルで引けた。翌24日は消費者信頼感指数の発表やトランプ一般教書演説が注目される。

S&P 500
6,837.75
-1.04%
NYダウ
48,804.06
-1.66%
NASDAQ
22,627.27
-1.13%
VIX
19.09

市場概況

2月23日(月)の米国株式市場は大幅下落。ダウ工業株30種は821ポイント超(-1.66%)下落し48,804.06ドルで引け、S&P500は-1.04%の6,837.75ドル、ナスダック総合は-1.13%の22,627.27ドルで終了した。市場の下落を主導した要因は2つ。第1に、最高裁が従来の緊急関税の法的枠組みを無効と判断したことを受け、トランプ大統領がSection 122(1974年通商法)を発動し、一律関税を10%から15%に引き上げた(上限150日間)。これは同条項が史上初めて発動されたケースであり、輸入額1.2兆ドル(全輸入の34%)に相当する。第2に、AnthropicによるAIの新機能発表がIBMを直撃するかたちで「AIスケアトレード」が再燃した。市場全体が2026年の年初来マイナス圏に転落した。

セクター動向

セクター別ではテクノロジーセクターが-1.78%と最大の下落率を記録し、S&P500全体の下押し要因となった。グローバルサプライチェーンの依存度が高い半導体・小売セクターも関税の直接的な影響を受け軟調に推移した。一方、エネルギーセクターは+1.01%と唯一の主要上昇セクターとなり、資金の逃避先として機能した。米国の関税強化が一部の輸入代替エネルギーに恩恵をもたらすとの見方が支えとなった。テクノロジー株の下落はAIによる産業構造の変化への不安が背景にあり、特定企業の業績への影響を超えた構造的な変化への警戒感が高まっている。

注目銘柄

  • IBM (IBM): -13.1% — AnthropicがClaudeのClaude CodeにCOBOL処理機能を追加すると発表。従来IBM独占とされていたCOBOL基幹システム移行業務に競合する可能性が示され、同社の収益基盤を脅かすとの見方から売りが殺到した。
  • Apple (AAPL): 下落 — 一律15%関税の導入で年間最大330億ドルの売上影響が試算されるとのアナリスト指摘が嫌気された。中国を含むグローバルサプライチェーンへの依存度が高く、コスト転嫁または利益率圧縮のジレンマが意識された。
  • Nvidia (NVDA): 様子見 — 2月25日(現地時間)の取引終了後にQ4 FY2026決算発表を控えており、株価は発表前の警戒モードで推移。アナリストはEPS1.53ドル(前年比+71.9%)、売上高657億ドルを予想しており、Blackwellチップの需要動向と中国向け販売状況が焦点。

経済指標・FRB動向

2月24日(火)は2月の米消費者信頼感指数の発表が予定されており、関税ショックや株価下落が消費者マインドに与えた影響が注目される。トランプ政権のSection 122関税(最大150日間の時限措置)は大規模な輸入課税にあたり、インフレ再燃リスクを高めるとの見方が強まっている。FRBは直近のFOMC(1月27〜28日開催)で現行政策維持を決定しており、次回FOMC(3月予定)では新たな貿易コスト上昇がPCEデフレータへ与える影響を見極める姿勢。関税による輸入コスト上昇が家計・企業のインフレ期待を押し上げた場合、FRBの利下げ余地がさらに狭まるリスクがある。

日本市場への影響

ドル円は米国の関税政策不安を背景にドル売りが強まり、154〜155円台で不安定な動きが続いている。SGX日経225先物は57,000円前後で推移しており、米株安と円高圧力が日本株の重しになる見込み。国内市場では輸出関連株(自動車・電機)が一律15%関税の影響を受けやすく注意が必要。今週の注目イベントは2つ:①2月25日(日本時間)のトランプ大統領による一般教書演説(追加関税措置の方針言及の有無)、②2月25日の取引終了後に発表されるNvidiaのQ4 FY2026決算(AIインフラ投資の継続性を示す重要指標)。Nvidia決算が予想を上回った場合、日本の半導体関連株(東京エレクトロン等)へのポジティブ波及が期待される。